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防災レストラン-『風の山レストラン』様インタビュー

災害時にここに来れば安心-そんなレストラン。非常事態に対するあらゆる備えがされた施設として作られた『風の山レストラン』について、テレネット青山社長・青山専務に伺いました。

テレネット株式会社
専務取締役 青山利之様

「防災レストランを作りたい」ではなく、「災害に強い施設を作るには」から始まった

「防災に特化したレストラン」という新たな試みですが、そのキッカケはあったのでしょうか?
青山専務:元々防災関係の事業をやっている中で、『災害に強い施設を作ろう』という経緯がありました。レストランありきの防災、ではなく、防災施設で何をやろう?から、レストランや宿泊施設に…という感じですね。

バックアップ回線としての『衛星回線』と防災機能ワンパッケージ無線機『ハザードトーク』

ハザードトーク

バックアップ手段の中でも、衛星回線を選んだ理由は?
青山専務:光回線は来ているのですが、山なので倒木などによる寸断の可能性が。
代わりになる通信手段を用意する際、3Gや4Gも代わりになるのですが、折角であればそれすらも使えなくなったときにも対応できるように、ということで衛星回線をバックアップ手段として選びました。
モバイル回線の基地局の破損等の可能性も考えられますね。衛星回線を実際に使ってみていかがでしたか?
青山社長:BCPプラン(※PLANET-BB BCPプラン)の増速状態で、弊社の無線機「ハザードトーク」を利用し無線通話のテストや写真・動画の送信テスト行いましたが、問題なく通信できました。
そういう風に災害時とか何かあった際に「緊急時に増速できる」というのがいいな、と。
また、1台のハザードトークだけでなく、2-3台同時にテストを行いましたが、問題なく利用できました。
御社の無線機、『ハザードトーク』についてお聞かせください。衛星回線との連携ポイントは?
青山専務:BCPプランの未増速状態(128Mbps)でも音声通話ができる、という部分で非常に親和性が高いと思います。
なので、ハザードトークを使って増速してください、と連絡すれば、その後は写真や動画のやり取りもできますし、そのような使い方もできる。増速の連絡のためにも使えるというのはいいですよね。

↑ 写真や動画をリアルタイムで共有可能なハザードトーク。
衛星回線でも音声通話が可能に!

『レストラン』という側面と『要塞』という側面

避難所に準ずる施設のバックアップ回線はとしての利用は衛星回線の使用用途としてまさに、ですね。
青山専務:発想としては、バックアップ回線っていうと役所さんの屋上や避難所とかに置いたり、っていうケースが多いと思います。我々としては地域貢献のような、何かあったときにも助けになるような施設として作っていきたいと思っています。避難所に準ずるような施設という位置づけで、通信についても最悪の事態であっても繋がるというような仕組みにしたいと。そこで、衛星インターネットとハザードトークの組み合わせということですね。
なるほど。通信の最終手段として衛星を選んでいただけて、嬉しく思います。
防災レストランとして、通信以外にも災害に備えるためにどんな機能や設備があるのかぜひお聞かせください。
青山専務:まず、水ですね。水道も引いてありますが、メインでは井戸水を使っています。中アルプスのそばに隣しているので、岩盤を120mくらい掘って天然水を取得しています。施設の水はその中アルプスの天然水で賄っていますので、仮に大災害が起きて水道管が破裂したとしてもこの施設では井戸水が利用できます。
次に電気ですが、ソーラーとPHV(プラグインハイブリッド自動車)、発電できる電気自動車を配備しています。また、1tのガスタンクを置いています。通常この規模の施設であれば500kgのガスタンクで1週間ほど足りるのですが、敢えてその2倍を配備しています。このガスによる発電も可能です。
お湯についても、真冬の被災など特にですが、お風呂が沸かせる・シャワーを浴びることができる、というのはとても重要な要素になってきます。裏山から取れる薪のストックと、地域から持ってきたゴミを焼却炉で燃やし、その余熱建物全体のヒーティングとお風呂・シャワーのお湯として使うことができます。勿論、暖房も周りの木材やゴミで賄うことができるというわけですね。
そして通信のバックアップとして衛星回線、ということで、周りが大災害でもここは大丈夫、という施設として作っています。
お話を聞いていて、『要塞』のような、ここに来れば絶対なにがあっても大丈夫、という印象を受けました。
青山専務:例えば地域の方が施設にいらっしゃって、炊き出しをしなきゃいけないというときでも、薪を使った料理を作れる設備を利用することができます。ガスがなくても、山の木とかでお湯をたいたりとかもできますし。
あとキャンピングカーなどの設備を使っていただくこともできますから、そういう意味でいえば、ここが本当に要塞みたいな場所ですね。
避難所のような施設を作る、と言ったときに、想像するのはテレビで見るような、体育館の避難所を思い浮かべますが、レストランとリバーシブルに作れるっていうのはすごいなと。
青山専務:体育館のようにすごい多くの人が収容できるということはないのですが、それでも何十人か、という人がこの施設である程度の期間過ごしていただくことは可能になっています。少なくとも、ここで過ごせなくても、ここにくればお風呂に入れるとか、シャワー浴びることができるとか、トイレ使えるよとか…やっぱり災害が起きると問題になる点なので、ここでカバーできるようになっています。
あとはキャンピングカーの数を増やすとか、予備用のテントを用意してウッドデッキの上にテントを建てられるようにして寝泊まりするとかも可能だと思いますし、もうちょっとやること、発展できるところはあると思います。
さらに要塞化できそうですね。
青山専務:いつ来るか分からない災害、というものですので、普段の運用の中でカバーできる範囲で作っていけたら無駄がないのかな、と思います。
私個人のイメージですが、防災施設、というとちょっと怖いイメージがあります。例えば小学生の時、学校の備蓄倉庫とかあまり近寄りたくない雰囲気がありましたが、こんな風なレストランという形だと、そういうイメージなく利用できるなと。
青山専務:近くに公園もあるので、そういうところにもテントが立てられるようにしたり、備蓄倉庫がここにある必要はなくって、今まで地域で使っていた備蓄倉庫に食料を備蓄しておいてもらって、要は冷めたビスケットじゃなく暖かい料理を出すための調理をしていただくとか、そういうところでこの施設の設備を利用していただけたらと思っています。
地域と連携していくっていうような?
青山専務:おっしゃる通りです。自治体さん、地域の自治会さんと協定結んだり、いざという時にこの施設はどこまでできますよというお話をしていければなと思います。

『防災』と『インターネット』、『SNS』

最後にインターネットの話に戻りますが、今はインターネットというのはなければ生活ができないものになっていると思います。その中で、インターネットがないっていう状況に対するバックアップなどについて、お考えをお聞かせください。
青山専務:元々ネットワークのお仕事をしていましたので、「回線は太く、早く、冗長化していく」というのは常にやっていきたいところですし、細くても必ず繋がるみたいなのは持っておきたい、という考えを持っています。
今は光回線一本ですが、CATVも追加で引いて、普段は二本立てで増速し利用いただくとか。施設のどこで見てもYouTubeやNetflixなどが観られるようにしていきたいですね。
非常時はそういうのが利用できなくても、衛星回線などでSNSを使ったりだとか、あるいはホームページを更新したりとか、情報を発信するなどの利用を考えています。
低速で出来ることと高速で出来ること、平時と非常時と…。そのような形でネットワークを構築したいと思っています。
そういえば、自分自身東日本大震災の時は中学生でしたが…当時スマホを持っていた友人たちは電話じゃなくTwitterやLINEなどで連絡を取っていました。
青山専務:「生きているよ、ケガしてないよ」という確認はSNSで十分だと思うんです。SNSっていうのはそういう意味で非常に便利だと感じています。ですので、仮に周りの回線が全部断線して通信手段がないという場合には防災レストランに来ていただき、衛星回線を利用しSNSを利用いただける、と。
ただ、業務で使うってなると、リアルタイムで多くの情報をやりとりしたい…という話になってくると思います。「音声だけじゃなく画像を送りたいよね、動画の方がいいよね…」そういうときにはハザードトークを使っていただくとか。使う人が一般の方でしたらSNSで十分だと思いますが、それ以上のものが必要な方はそれ以上のものを使っていただくという感じで、組み合わせていけたら、と思っています。
テレネット株式会社
長野県飯田市駄科1956-5
https://telenet.co.jp/
風の山レストラン
長野県飯田市大休7462-49
https://kazenoyama.jp/

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