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通信衛星の種類 – 低軌道衛星

こんにちは。TDSCの高橋です。

昨今話題に上がる、数百基から数千基の衛星を打ち上げて運用する衛星通信。
SpaceXOneweb, Amazon(Project Kuiper)などが参入し賑わっている衛星通信業界ですが、実はそれらの通信衛星は高度(高さ)で分類することができます。

今回は通信衛星の高度による分類の中でも『低軌道衛星』について説明いたします。

低軌道衛星

低軌道衛星の定義

低軌道衛星その名の通り、衛星の中では低軌道を周回するものが分類されます。

具体的な高度では『地球低軌道(Low Earth Orbit=LEO)』と呼ばれる地球表面から2000km以下の軌道を周回している衛星が『低軌道衛星』と呼ばれています。
一般的なジャンボジェット等の航空機が飛行するのが10000m(=10km),雲がおよそ5000~13000mであることを考えると、『低軌道』という名前であっても実際には地球表面から遠く離れた距離であることが分かります。

衛星コンステレーション

地球の自転と同じ周期で公転している静止軌道衛星と違い、低軌道衛星は地上から観測すると動いているように見えます。
1つの低軌道衛星では利用エリアを通り過ぎてしまうと利用不可能になってしまうため、多数の低軌道衛星を連携し通り過ぎたら切り替えることで通信を途切れさせない工夫がされています。

また、低軌道衛星は中・高軌道衛星に比べ地球との距離が近いため、1つの衛星がカバーできる範囲が狭くなるという問題点があります。これも、複数の衛星を連携させることで解消することができます。
このように複数の衛星を連携・協調させることを『衛星コンステレーション』と呼び、これらの問題の解決を図っています。1つのシステムで数十~数千の衛星を連携させ、絶えず地球全土を覆うことで、途切れずカバー範囲の広い衛星通信を可能にしています。
なお、『コンステレーション』とは『星座』の意で、多数の衛星が整合され連携する様から取られています。

低軌道衛星のメリットとデメリット

メリット – 中高度衛星との違い

・通信速度
中・高軌道衛星に比べ地球との距離が近いため、通信速度UP
・衛星の小型化
そのため、コストと使用電力を減らすことができる。
・地域カバー率
多数の衛星を連携させるため、地球全域を覆うことができる
(中・高軌道衛星は高緯度で利用不可)

地球との距離が近く、今までの衛星回線よりも通信が速く、カバー率の高さから今まで回線を利用できなかった場所でも使用可能、という多くのメリットがあります。

デメリット – 懸念点

・衛星切り替え時の懸念
通信を行う衛星を切り替えるタイミングで通信が不安定になる可能性がある。
・コスト
衛星1つ分のコストは減るが、数が莫大であり、寿命も短くなるためプロジェクト全体のコストがかかる
・天文的問題
多数の衛星を打ち上げるため、天体観測の際に映り込むのではないか、という天文的問題
・スペースデブリ
多数の衛星が寿命を迎えた際、それら大量の廃棄物(スペースデブリ)の処理をしなければならない。

また、多くの衛星を同時に管理する(寿命や故障、切り替えなど)難しさや、地上と多くの電波的やり取りを行うため、それらが地上で既に利用されている電波と干渉しないよう調整する必要があるなど、多くの懸念点があるのも現状です。

これからの低軌道衛星 – 賑わう低軌道衛星

世間で話題に上がるSpaceXOneweb, Amazon(Project Kuiper)などの参入する衛星通信事業は、この低軌道衛星と衛星コンステレーションによるものです。
他回線に比べ地上での設置にかかるコストが低い衛星回線は、今までインターネットを利用しなかった(できなかった)人々でも気軽に導入しやすい回線になるかもしれません。
数を打ち上げることでカバー率の高い低軌道衛星を用い、今では圏外となってしまうようなエリアでもインターネット回線を利用できるようにする・・・インターネットがある地域とない地域での差が激しい現代で、活躍が見込める技術です。


次回コラム更新では、『中・高軌道衛星(静止軌道衛星)』について
『低軌道衛星』との違いやメリット・デメリットも交えつつご説明いたします。

参考資料

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